今、日本で言うところの「ソーシャル メディア マーケティング」は、多くの場合マーケティングそのものというわけではなく、マーケティングあるいはプロモーション施策の一手段として用いているツールに対する「オペレーション」でしかないのではなかろうか、と前回のエントリーで触れてみた。
たとえば「中の人」が "「ソーシャル メディア マーケティング」セミナー" で語る「マーケティング」をテーマにした話。これも「ソーシャル メディア」と言われている "ツール" を使ったコミュニケーションにおける、具体的なオペレーション方法に終始していたりする傾向にあるし、少し前から語られるようになってきた「ソーシャル メディア ポリシー」や「ソーシャル メディア ガイドライン」についても同様だろう。
たとえば "「ソーシャル メディア マーケティング」セミナー" であれば、
- 「ソーシャル メディア」と呼ばれるものがあります
- Twitter や Facebook、最近では Google+ があったりします
- 「ソーシャル メディア」の勢いはすごく、"みんな" 使ってます
- 私たちも使ってみましょう
- でも、使い方に気を付けないと "炎上" しますので注意してください
- 大事なのは、きちんと "傾聴" し、そして "会話" することです
- たとえば… (ここで、主な事例が語られる)
という感じになってくるケースが大半だし、「ソーシャル メディア ポリシー」や「ソーシャル メディア ガイドライン」になってくると、
- 「ソーシャル メディア」上では素性を明確にしてコミュニケーションしましょう
- ヘンなこと言っちゃいけません
- ケンカしちゃいけません
- きちんと会話しましょう
というようなルールが「中の人」向けにあり (いや、これがあるだけでもいい方で、まだまだ「中の人」個人のコミュニケーション センスだけで回しているケースも少なくないのだけれども)、一方で対外的には、
- 自分たちの持っているソーシャル メディア上のアカウント リスト
- コーポレート サイトのものをちょっとアレンジした、いわゆる Terms of Use
- (「ソーシャル メディア」の性質を考えると致し方ないし、むしろ必要だと思うのだけれども) 「基本的に発言には責任取れません」的な文言
あたりで構成されたものを公開している感じだろうか…。
なお誤解の無いように改めて書いておくと、自身は上記に挙げたものを否定するつもりはまるで無い。むしろ、これらは非常に必要だと思っているし、企業が自分たちで「ソーシャル メディア」上でコミュニケーションする際に不可欠だと思っている。
ただ、上記のような内容で終始している状況に、少しばかりの違和感を感じてしまうこともあるわけで。それは、これまで書き記してきたように「オペレーション」だけに focus しすぎている、という点と、もう一つ「発信」だけに focus しすぎているという点だったりする。
『グランズウェル』の 5 つの戦略の中で、"傾聴" 戦略が一番最初に語られてあり、実際、これまで「"傾聴" は非常に大事だ」ということが常々語られてはいるものの、実践が伴っているという点で考えると、そのケースは非常に少ない。むしろ、その次に語られる "会話" 戦略ばかりを見つめているような気もするし、会話以前に、単なる「発信」だけにしか目を向けていないケースが依然多数を占めているのではないかと思われるわけで (いや、たとえ「発信」だけしかしない状態であっても良いと思うのだけれども、そこに明確な目的と戦略はあるのだろうか…、と考えてしまうわけで)。
もちろん、こういったものが全てというわけではなく、たとえば「顧客へのサポート」という形で、それこそ "傾聴" と "会話" を非常に素晴らしい形で実現している好例もある (最近語られるようになってきたが、これはもっと語られてもいいのではないか、と個人的に思っている)。ただ、多くの場合、企業にとって「ソーシャル メディア マーケティング」というものが、
- あるマーケティング戦略に根ざして実行される
- コミュニケーション施策に用いられている
- 一部のチャネルを使用して
- 「発信」するための
- 「オペレーション」活動
と、ほぼ同義に語られてしまっている状況にあるのではないかと思うし、これが自身にとって違和感として渦巻いているものだったりもする。
いや、企業にとっての「ソーシャル メディア」マーケティング 、もとい「企業にとってのソーシャル メディア」って実際には、それだけではないだろう、というのが、あれこれ半年ほど考えることになったきっかけでもあったわけで。
ただ、「じゃぁ、発信するだけじゃなくて、きちんと傾聴していればいいのか」というわけでもない。そのあたりを次回以降、あれこれ記してみようかなと思っている。

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