前回のエントリーに引き続き、約 1 週間ばかりの出張 (in U.S.) の中で、本社におけるマーケティングの前線に立つ人間と、色々と話をしていた中で、自身が気付いたコトを書き残していこうと思う。
コレは、前回のエントリーのコメントにも若干記したのだけれども、実は昨年の今頃は、まだ “Buzz” や “Viral” という言葉は、かなり頻繁に飛び出していたのは事実だ。実際、いまや一部では “バイブル” と呼ばれている “ソーシャル メディアをマーケティング施策に活用していくために必要なフレームワークをまとめたハンドブック” を、自身が作ったきっかけも、当時 U.S. で声高に “Buzz” や “Viral” が叫ばれていた流れの中、「日本で、この流れを、そのまま進めていったら、失敗する可能性が高いはずだ」という危惧があったからなわけで。
その記憶が、まだアタマの中に残っている状態で、今回 U.S. のマーケターたちとハナシをしたところ、彼 (女) らの口から、もはや “Buzz” や “Viral” という単語はすっかり出てこなくなり、代わりに “Advocacy” だったり、あるいは “Engagement” や “Listening” 、そして “Network” という単語がポンポンと飛び交っている現状を目の当たりにした。もちろん、ソレは自身にとって、少なからずショックだったコトは否めなかったわけで。
そして、もう一つ気付いた大きなコトがある。
Tweet 3: 帰国して、改めて今回の US での話を思い返しているのだけれども、考えてみたら、そもそも "Social Media Marketing" という言葉が出てこなかった気がする。別に Social Media だからって、何か区別して考えているというコトではないわけで。
実は、彼 (女) らとハナシをしていて、とうとう “Social Media Marketing” という語が出てこなかったコトに気付いたのだ。
今、日本では、まさに “ソーシャル メディア マーケティング元年” という名のもとに、ソーシャル メディアなるモノを、いかにして企業のマーケティング施策に活用していくかが、盛んに語られている一方で、U.S. にいる彼 (女) らは、まったく “Social Media Marketing” という語を使っていない。
ソレは、以下のような考え方が、彼 (女) らの間に、前提となる考えとして、すっかり定着しているからだ。
Tweet 4: ツール単体としてでなく、ソーシャル メディア全体として考えた上で、さらにソーシャルメディアをコミュニケーション全般の中の一部として位置付け、そこから具体的なアプローチを考えていくというやり方が普通にできている。
つまり、ソーシャル メディアをマーケティング施策に活用していくというコト自体、なんら特別な位置付けとして考えておらず、いわゆる全体的なコミュニケーション戦略の一部として位置付けている、という前提が根付いているからだったりするわけで。
こういった考えが、すでに共通認識として存在しているため、あえて “Social Media Marketing” という区別された言い方にはならない。そして、もちろん、
Tweet 5: 今回、色々な人とソーシャルメディア関連の話をしているのだけれども、これまで「Twitter が…」とか「Facebook が…」というような、プラットフォーム単体の会話に一度もなったコトが無い。つまり、複数のチャネルを前提にして考えているというコトが半ば常識になっているわけで。
このように、当たり前だが、ツール、あるいはプラットフォーム単体の会話には、まずもってならない。実際、
Tweet 6: 「ツール単体じゃなく複数のチャネルを前提にして考える」というのは、もちろん効果測定にも活かされている。「ソーシャル メディア全体」で、どう言及されているか、その上で「チャネル特有の指標」を見る、というのが、当たり前になってる。
このような Tweet も残したのだけれども、あえて「Twitter が…」とか「Facebook が…」という会話になるときは、その前段階として、ちゃんと全体的なコミュニケーションの “絵” が存在したうえで、チャネル特有の指標をみるような場合になるわけで。
たとえば、“Twitter の効果測定指標” というような考えが独り歩きをしてしまうようなコトは、ほとんど見受けられないし、Twitter 単体で何かをやっていくというコトも、あまり無い。仮にソーシャル メディア上の窓口もといチャネルが Twitter だけだったとしても、必ず、いわゆる Owned Media に位置する、自前のサイトとの連携は密接なモノであるコトがほとんどだったりする。
つまり、ソーシャル メディア単体で突っ走っていく施策自体が、ほとんど無いのだ。
こういった考えが、しっかりと根付いているため、当然施策運営の細かいところなども、かなり日本で考えられているそれとは異なってくる (かつ本質的である) 部分が多い。次回以降は、ソレを中心に書き残していこうと思う。

コミュニケーション>チャネル・メディア>ツール
すなわち、戦略>戦術>戦法という思考が定着している組織は強い
日本は戦法に強いんですが、特にヨーロッパ(とその影響を受けているアメリカ)および中国は戦略に強い印象あり
Posted by: 山本@五反田 | 2010/06/08 at 12:27
山本@五反田さん>
実際、日本でも、戦法もといツールやプラットフォーム単位でのアプローチの仕方は、色々と考えられているように思えます。ただ、おっしゃる通りで、一方で戦術、ましてや戦略になってくると、その差がかなり際立って見えたというのが、率直な感想でした。このへん、かなり難しいところではありますね…。
Posted by: クマムラゴウスケ | 2010/06/08 at 13:35
戦略的発想については、功罪言われているビジネススクールがプラスに作用してると思われる。ビジネスを大きくとらえてデザインする構築力の育成がめざされてる。(ポジショントーク 笑)
Posted by: Ywakabayashi | 2010/06/10 at 23:50
ビジネススクールで学んできた方ばかりが携わっているわけではないですが、確かにおっしゃる通りで、ビジネスを大きくとらえて、全体をデザインした上でのアプローチであることが、強く感じられました。これは、自分も学ばないと、と思った次第です。
Posted by: クマムラゴウスケ | 2010/06/11 at 15:44