先週金曜日は、(既にご存じの方もいらっしゃる通り) 「企業 Twitter は誰が使うべきか」というタイトルのセミナーに登壇した。
このセミナーに登壇したハナシについては、また別途エントリーを改めて、色々と語ろうかなと思っており、今回はあえて書かないでおくとして。今回も、これまでの続きとして、自身が U.S. で見聞きし、そして感じたソーシャル メディア活用の現場について、引き続きまとめてみようと思うわけで。
前回は、ソーシャル メディアそのものの、ビジネスにおける位置付けが変化してきているコトに伴い、まず “ソーシャル メディアをメディアとして考えない” というコンセンサスが定着し、さらに “ソーシャル メディアを独立したモノとして考えない” という意識、言い換えれば “ソーシャル メディア マーケティング” というカタチで、特別なアプローチを考えないという考え方に、その発想が変化してきているというコトについて書き残してみた。
今回は、それよりもさらに深入りしてみようと思う。具体的にソーシャル メディア上で、どのようなコミュニケーションを行っているか、というコトについてという部分だ。
実際、ソーシャル メディアを、あえて特別なモノとして意識していないがゆえに、そのコミュニケーション方法だったり、メッセージ、あるいは提供するインフォメーションに関しても、日本で展開されているそれとは、ずいぶん異なっているように見えるのが現実だったりする。もっとも違いを感じるのは、“製品やサービス提供側から発していくメッセージの中で、どれがソーシャル メディア上で響くものなのか” をしっかりと検証しているところにある。
たとえば、ある製品を担当している部門の場合、その部門から発信するメッセージを考えていくにあたって、まず、そのメッセージを以下のように分けて考えるところから始まる。
![Diagram-1[1] Diagram-1[1]](http://www.gosuke.net/.a/6a0133ee9ac26e970b013484ae9bf1970c-pi)
つまり、 “Brand” という部分と “Products” という部分に分かれるのだ。基本的に、Brand という名のもとにくくられるメッセージは、Products という名のもとにくくられるそれよりも上位の概念として位置する。
このあたりは、少なくともコミュニケーションを考えている人であれば、なんとなくイメージはつくのではないかと思うわけで。少なくとも、“ブランド” に関するメッセージと、“Products” に関するメッセージをごっちゃにして出すというコトは、まず無い。
で、彼 (女) らは、コレをさらに細分化して考える。
![Diagram-2[1] Diagram-2[1]](http://www.gosuke.net/.a/6a0133ee9ac26e970b013484ae9c02970c-pi)
具体的には、このように 5 つに分けている。
コレは、ユーザーがブランドを認知し、そこから購買に移り、さらに購買後、実際に使用するシーン、ならびに、それに伴って発生するサポート関連にまでいたる、という形になってくる。“Awareness” と “Perception” に関しては “Brand” 的な要素を主にしたコミュニケーションが展開されることとなり、“Shop” もとい購買を中心とし、その後の “Usage” から “Support” に関しては、“Brand” ではなく “Products” 的な要素を中心としたメッセージになるというコトになる。
そして、この “Awareness” から “Support” に至るまでの一連の流れに対して、どのようにコミュニケーションしていくか、というコトを、同じように 5 つに分けた形で考えている。具体的には、以下の通りだ。
このように、“Awareness” に対しては “Thought Leadership”、“Perception” に対しては “Scenario (Campaign)”、“Shop” に対しては “Tasks”、“Usage” に対しては、“Help/How To”、そして “Support” に対しては “Break/Fix” となる。
もっとわかりやすく、以下にまとめてみよう。
| Brand or Products | Stage | Message |
| Brand | Awareness | Thought Leadership |
| Brand | Perception | Scenario (Campaign) |
| Brand/Products | Shop | Tasks |
| Products | Usage | Help/How To |
| Products | Support | Break/Fix |
つまり、まだ “Awareness” の段階にいる顧客に対しては “Thought Leadership” たとえばエグゼクティヴや、その他インフルエンサーのメッセージを出すことでコミュニケーションを行う、つまり夢を語るようなアプローチになってくるし、“Perception” の段階においては、 それよりも若干具体的なディテールが伴う形で、“Scenario” つまり、“○○ で、こんなライフスタイルが実現します” であったり “○○ で、こんな風に変わります” というようなハナシになってくる。
さらに、段階が進み “Shop” のステージになると、より詳しく “○○ の ×× という機能で、こんなコトができます” 的な、個々の “Task” に焦点があてられた内容になってくるし、さらに購入後の “Usage” や “Support” の段階にいたると具体的な使い方や How To という流れになったり、あるいはもっと直接的なサポート的な内容になってくるとのこと。
ちなみに、彼 (女) らが長い時間をかけてソーシャル メディア上を、文字通り “Listening” しつつ調べてみたところ、特にソーシャル メディア上で多く交わされる会話は、この三角形を上からたどっていったとおり、Awareness -> Perception -> Shop -> Usage -> Support という順に多くなっていくらしい。また、実際には、Usage と Support を合わせると、全体の約 90% になるとのことである。
そういうわけで、実際に、この部門がソーシャル メディア上に展開させている会話の多くは (Listening した結果を受ける形で) Help/How To ないし Break/Fix という内容が大多数を占めるとのコトである。
もちろん、その他の “Thought Leadership” だったり “Scenario” だったり、あるいは “Tasks” に関連したメッセージも出していくのだけれども、そのメッセージの多くは、実はソーシャル メディア上では、あまり出していないとのこと。
その理由は “出しても響かないから” だそうで…。
結局ソーシャル メディア上に、色々な種類の情報を出してみたものの、最終的に顧客からの反応が高かったのは、Help/How To だったり、あるいは Break/Fix だったりするコトを鑑みたうえで、最終的に出す情報を、それに合わせて集中してきているというところがあるわけで。
実際、扱う製品やサービスによって、そして対象となる顧客によって、コレは大きく変わっていくのだけれども、実際内容はどうであれ、“どんな内容の会話が多く交わされているか” をまず丁寧に調べ上げ、それに対して “反応が得られる” もとい “何らかの形で役に立つ (と思われる) ” テーマでの会話をしていくようなスタンスで、臨んでいるという点は、(当たり前のコトではあるものの) 非常に重要なのではないかと思うわけで。
自分たちの出したい情報だけを出し、まったく響かず失敗するケース、あるいは、あまりにもユーザーに迎合しすぎて、ウケ狙いだけのネタを出して、何も後に残さないケース、周りを見渡してみると、どうも、その両極端なメッセージの発信ばかりが目立つような気がするのだけれども、実際に、どういう内容の会話が多く交わされ、その中で役に立つ情報は何かというコトをしっかりと見定めた上でソーシャル メディア上に情報を出していくというコトが必要なのかもしれないと思うわけで。